ダイワボウホールディングス(HD)は11月22日に開いた取締役会で、連結子会社で繊維事業を担う大和紡績の発行済株式の85%を投資会社のアスパラントグループ(東京)が所有するファンド、アスパラントグループSPC11号(以下、SPC11号)に譲渡することを決議した。譲渡価格は95億4000万円。株式譲渡実行日は24年1月18日の予定だ。
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ダイワボウHDは5月、「次期中期経営計画策定に向けた重点検討事項と検討体制について」公表した内容のなかで、大和紡績のグループからの独立化を検討していた。今回の決議で、ダイワボウHDが所有していた発行済株式1億793万2163株のうち、9174万2339株をSPC11号に譲渡する。
ダイワボウHDは大和紡績のさらなる成長に向け、「積極的な研究開発、大規模な設備投資などを含む機動的な経営の意思決定が必要」と考え、大和紡績の企業価値最大化には、「当社(ダイワボウHD)に代わるベストオーナーの選定が必要と判断」に至った。複数の譲渡候補先との協議を経て、アスパラントグループに対する譲渡を決めた。
ダイワボウHDによると、アスパラントグループは製造業に対する事業拡大支援や、企業グループから事業部門や子会社が独立する際の支援で豊富な実績を持つ。このため「最良の選択」と強調。
今回の譲渡で得た資金は、財務基盤の強化や株主還元、成長投資に活用する。一方で、当面の間は大和紡績の発行済株式の15%は所有を続ける予定。大和紡績の取引先や従業員などステークホルダーとの関係を維持しながら、スムーズに移行していく考えだ。