商品企画やデザイン、販促など、生成AI(人工知能)はビジネスのあらゆる場面に浸透し始めています。一方で、便利さの裏側では、機密情報や顧客情報の漏洩(ろうえい)、知的財産権侵害など新たなリスクも顕在化しています。ブランドへの信頼を守りながらAIを活用するための「AIガバナンス」という考え方を紹介します。
(サイバーセキュリティクラウド代表取締役CTO 渡辺洋司)
企業競争力を左右
「次のシーズンのデザイン案を考えてほしい」「商品のキャッチコピーを作ってほしい」「SNS投稿を考えてほしい」こうした依頼を生成AIへ投げかけることは、もはや珍しい光景ではありません。
ファッション・アパレル業界でも、商品企画、マーケティング、EC運営、顧客対応まで、AIは日々のあらゆる業務で急速に導入・活用されています。生成AIは単なる業務効率化ツールではなく、企業の競争力を支える新しいインフラになりつつあります。
実際、当社が実施した調査では、生成AIが利用できなくなると6割以上が「業務に影響する」と回答しました。また、約4割が「AIへ依存している」と自覚し、20代では約半数が毎日利用しています。「上司よりもAIの意見を参考にすることがある」という回答も約半数に上りました。この結果は、多くの企業にとってAIが「あれば便利」な存在ではなく、「なくては仕事が回らない」存在へ変わり始めていることを示しています。だからこそ企業は、「AIを導入するか」から「どう活用し、競争力へ結び付けるか」を考える段階へ入りました。
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