レディスアパレルメーカーのクロスプラス(名古屋市)は、カプセルトイの人気シリーズ「にっこりーノ」と協業したアパレルを販売し、注目を集めている。独自性の高いカプセルトイの人気商品に目を付け、落とし込んだプルオーバーがGMS(総合小売業)、大手専門店チェーンを中心に好感触。販路を広げている。
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日本玩具協会によると、カプセルトイの22年度の市場規模は前年を30%以上上回る610億円となり、成長を続けている。同社ではその勢いや、SNSによる拡散力に商機を見いだした。
協業したのは、発売から累計数百万個以上売れている人気カプセルトイの、にっこりーノシリーズ。ホットケーキやメロンソーダのぬいぐるみキーホルダーが揃う「純喫茶」など、20種類以上を展開する。
カプセルトイの中でもシリーズ化された大ヒット商品であることに加え、「〝キャラクター〟という打ち出しでは、既存の大人気キャラクターに対し、勝ち目がない。食べ物などの特殊なシリーズであれば、別番地を捉えられるのでは」(吉本直央シニアMD)と考えた。独自性や新しさで次世代を捉える企画として、23年秋冬、同シリーズ内で特に人気の〝お弁当コレクション〟をアパレルに落とし込んだ。
提案したのは、弁当の具材であるブロッコリーやエビフライのカプセルトイを模したワッペンを胸元に縫い付けたプルオーバー(税抜き1980円)。プリントではなくサガラ刺繍のワッペンを使い「カプセルトイのぬいぐるみの風合いに近づけることを意識」するなどのこだわりで、23年秋冬全体で大手専門店チェーン、GMSなど300店から受注した。
発売すると販売効率、売り上げともに好調で、「プロパー消化率も高かった」。カプセルトイのファン以外も購入する「想像以上」の反応だったという。
24年春夏には同シリーズの「ゴミ」や「純喫茶」を加え、ワッペンの素材をカプセルトイ寄りにアップデートしたTシャツ(1000~1500円)を企画した。春夏の販売店舗は1000店に拡大。シーズンを通じて10万枚の販売を目指す。
カプセルトイ企画は今後もアパレルや雑貨で進め、期間限定店も視野に販路を拡大する。24年夏には専用のECサイトもオープンする予定だ。