日本の有力セレクトショップのバイヤーや百貨店のディレクターが選ぶ「今の時代を引っ張る最もクリエイティブなデザイナーランキング」は、3シーズン続けて「ジル・サンダー」のルーシー&ルーク・メイヤーがレディスのインターナショナル部門のトップとなった。
レディスではストリート系のブランドはすっかり影をひそめ、大人の女性に向けてモダンなエレガンスを作るデザイナーが顔を揃えた。前回の19年8月のアンケートでも同様の傾向が見られたが、それを上回る流れになっている。メンズのインターナショナル部門は、「ディオール」のキム・ジョーンズが他を引き離してトップに躍り出た。
(青木規子、写真=大原広和)
■知的なエレガンスに評価
レディスのインターナショナル部門の上位には、ルーシー&ルーク・メイヤーと「ボッテガ・ヴェネタ」のダニエル・リーがわずかな差で並んだ。いずれも半年前は「ポストフィービー」として注目されたが、ミニマルで知的なエレガンスを提案するブランドとして前回以上に全体を引っ張る存在になっている。
メイヤー夫妻のクリエイションは、クリーンなスタイルに有機的な素材や手仕事の温かみなどを利かせたデザインが魅力。その現代的なエレガンスが評価されている。「ハリ・コシのある日本の素材をセレクトするなど素材に対して強いこだわりを持つことで、立体的でアーティスティックなフォルムを作り出している」(阪急阪神百貨店)、「いわゆるトレンドを追うのではなく、大切に着続けたい服が揃う。雑貨はまだまだ広がりそう」(エディション)、「国内は非常に好調。禅的ミニマリズムは日本人にも親和性があるのだろう。仕立ての良いジャケットにドレスを合わせるスタイリングは20年春夏に広まりそう」(そごう・西武)。
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