「コスチュームナショナル」は17~18年秋冬から、新ディレクターとしてメンズに「ファクトタム」の有働幸司、レディスに「ヤストシ・エズミ」の江角泰俊を起用し、リブランディングを進めている。
16~17年秋冬で全世界での卸販売を休止し、ミラノのアトリエを縮小、日本と香港にある直営店での販売に絞っていたが、本格的に2人が着任する18年春夏物からまず日本で卸向け展示会を再開した。18~19年秋冬は、メンズの発表の時期に合わせて欧州でランウェーショーと展示会を行う予定という。
同ブランドは現在、日本の投資会社バーサタイルが保有しており、日本と香港ではCNジャパンが小売りを手掛けている。
「創業デザイナーのエンニョ・カパサが日本の平面カッティングに造詣(ぞうけい)が深かったこともあり、日本人がディレクターを務めることはブランドにとって挑戦であり面白いことだと考えた。せっかく日本人が手掛けるのだから、日本の素晴らしい素材や技術、アイデアなどを今後幅広く取り入れていきたい」と三河宏彰CNジャパン社長。
有働と江角は何度もイタリアにわたってアーカイブを調べるとともに、互いにイメージを共有。18年春夏物では、メンズは未来的な感覚やモーターサイクルの要素を取り入れた90年代調のモードスタイル、レディスは構築的なカットを生かしたつやっとした感覚のアイテムを充実した。
「歴史があるブランドなので、それを崩さず、いかに新しく見せるかが課題であり、同時に面白い」(有働)、「ブランドが元々持っている官能性は自身のブランドにはあまりない要素なので、そこに取り組むのは自分にとっても挑戦」(江角)と話す。