アイスタイルの連結子会社で、コスメセレクトショップ「@コスメストア」を企画運営するコスメネクストは10日、東京・原宿駅前に旗艦店「@コスメトウキョウ」をオープンする。立地は元「ギャップ」旗艦店跡地。3層、売り場面積約1300平方メートル内に、同社国内最大の200ブランド以上、約2万点を揃え、初年度売り上げ40億円を目指す。
(中村維)
アイスタイルグループは、日本最大のコスメ口コミサイト「@コスメ」、ECサイト「@コスメショッピング」、実店舗の「@コスメストア」24店を運営し、海外にも進出。@コスメで蓄積する膨大なデータを強みに、BtoB(企業間取引)のマーケティングビジネスも手掛ける。
オープンした@コスメトウキョウは、こうした強みを最大限に生かし「次の時代の新しいネットとリアルの融合の実現」(吉松徹郎アイスタイル社長兼CEO=最高経営責任者)を追求する。ただし、テクノロジーを全面にアピールするのではなく、「ユーザー、店、ブランドがつながる体験をテクノロジーを使ってつくる」ことを重視した。
3階にイベントスペースと酸素カプセルを設け、1階にはインフルエンサーやクリエイターによるライブ配信用のスタジオを設置。ブランドがプロモーションに活用できる期間限定店のスペースも広く取った。同社が毎年発表するベストコスメの受賞商品を並べたタワー、@コスメでのウィークリーランキングを常時入れ替えて展示販売するコーナーで情報発信も行う。
接客面では、これまでメーカー別だったカウンセリングを統一。共通のカウンセリング台帳を作成し、よりパーソナライズした接客につなげていく。「将来的にはブランドや他店舗でのデータ連携もできれば」とする。立地の関係で、インバウンド(訪日外国人)売り上げが40~50%に達すると見込み、JANコード(日本共通商品コード)翻訳リーダーを置くなど多言語に対応し、外貨両替機も設置した。キッズスペースや授乳室も備える。
今後、新商品のオンライン予約や来店前通知といったサービスを検討するほか、「消費者の店内動向をヒートマップのように可視化できるシステムも導入できれば」とし、絶えず進化する店づくりを継続していく。
現在、同社のECと実店舗の併買客の割合は約10%だが、旗艦店を起点としながら、一層の向上を目指す。