大阪大学、三井化学、川崎重工は二酸化炭素(CO2)を原料にしたパラキシレン(PX)の合成に成功したと発表した。PXはPET(ポリエチレンテレフタレート)原料のテレフタル酸のもとになり、繊維やボトルへのCO2固定化につながる技術として事業化に向けて取り組む。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のCO2有効利用実証事業に採択され、広島県大崎上島町にあるNEDOのカーボンリサイクル実証研究拠点で3者で実施した。三井化学の触媒技術を用い、CO2と水素を原料にメタノールを合成、さらに大阪大学と川崎重工が開発した高選択性の触媒を使ってメタノールからPXを合成した。石油由来のPXと比べてCO2排出が大幅削減できる。
国内ではこのほか一昨年、ハイケム、富山大学、千代田化工建設がCO2を原料にしたPXの合成に成功、これを使ったポリエステル繊維をゴールドウインが製品化した実績がある。