ニューヨーク(NY)のジューイッシュ美術館で、「ムード・オブ・モーメント:ギャビー・アギョンとハウス・オブ・クロエ」展が始まった。14年に亡くなったクロエの創業者のアギョンの人となりを学べる興味深い展覧会だ。
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アギョンはエジプトの裕福なユダヤ人家庭に生まれ、1945年に夫とパリに移住し、1952年にクロエを創業した。オートクチュールを買えない女性たちがオートクチュールをまねて自作していた頃、モダンでエレガントで仕立てがよく品質の高い生地を使ったオリジナルの服を提供したいと始めた、民主的革新的な考えを持つ女性だった。自分より他のデザイナーたちに光を当てる一方、店に卸したら店の名前のネームタグに付け替えられた当時の習慣を覆し、クロエの名前をキープさせた。自らは黒のスカートにエジプトの砂を思わせるソフトな色調のシルクのブラウスばかり着ていて、歴代のデザイナーたちがデザインした薄い色のシルクのブラウスを集結した部屋もある。会期は来年2月18日まで。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員、写真:同美術館提供)