昨年、ファッション・プライズ・オブ・トーキョーを受賞した「CFCL」は、2月末にパリで発表した新作の凱旋(がいせん)イベントを行った。表参道の会場には、新作を着た約20体のマネキンが並んだ。立体的なフィット・アンド・フレアのニットドレスに、ニットの伸縮を生かした波打つパンツ、細い腕から大きく広がるベルスリーブ。フォルムが際立つモダンなルックを、赤のワンカラー、パープルやオレンジのマルチボーダーで鮮やかに彩った。ブランドを象徴する丸いフォルムは、デビュー4シーズン目にして早くもシグネチャーデザインとして認知されつつある。披露した動画ではそれを老若男女に着せて、多様性の高さを印象付けた。
テーマは引き続き、体を包むニットの器を意味する「WARE」(ウェア)。今回は、それに「アウトライン」を加えた。ストレッチ性のあるニットは、独自のフォルムが際立つだけでなく、性差や体の大きさに関係なく着ることができる。デザイナーの高橋悠介は、「そのフレキシブルな特性と、多様性を重視する今の社会をつなぐストーリーを形にした」という。次シーズンもパリで発表する方針だ。
(青木規子)