「セリーヌ」はこのほど、メンズの22年サマーコレクションを動画で配信した。南フランスの島にしつらえらえたのは黒いランウェーとFMX(フリースタイルモトクロス)を重ね合わせた会場。ショーのオープニングには、FMXのライダーたちによるフリースタイルパフォーマンス。それはこのコレクションのキーワードの「ユース、エナジー、スケーター、ネオ・レイブ、ネオ・サイケデリック」を象徴するものという。
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バイクやヘルメットの色と重なるように、コレクションは黒とシルバーのコントラストが強調される。バイカージャケットにアイレットのシルバー、スパンコールやメタルシートのまばゆい輝き。首元のチョーカーやチュールのスカートのようなアイテムをレイヤードして、マスキュリンとフェミニンの間の艶やかなムードを作る。黒とシルバーの艶やかな中に、犬の柄のジャカードニットカーディガンやアニマル柄が古着のようにアクセントとなる。エディ・スリマンといえば、これまで体にぴったりと沿ったスリムのシルエットがメインだったが、今シーズンはウルトラルーズのバギーパンツがキーアイテム。そこにカウボーイブーツを組み合わせる。FMXのソリッドな空気と、マスキュリンとフェミニンのバランスがいかにもスリマンらしい。メンズの方が、セリーヌのコードから離れて自由に表現できているように思う。
(小笠原拓郎)