23年1月に東京プロマーケットに新規上場して以来、初の決算発表となったミモナ。卸売事業の主力商品である「アウトドアスパイスほりにし」が好調を維持し、23年5月期は売上高42億2600万円(前期比17.9%増)、経常利益5億7400万円(12.2%増)と大幅な増収増益となった。しかし、今期は市況の悪化をふまえ、売上高36億9400万円(12.6%減)、経常利益2億8100万円(51%減)と慎重に見る。池田道夫社長に聞いた。
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今はアウトドア需要の調整局面にあるので、無理せず、マーケットに合わせた販売を心掛ける方針です。下り坂の時こそブランド力が問われます。売上高よりも顧客のことを第一に考え、当たり前のことを徹底し、厳しい時だから本質的なものが問われることになると思っています。
今後、専門店事業では豊富な品揃えを維持しつつオレンジらしさに磨きを掛けていきます。店舗ごとの特徴を出すために売れ行き内容をよく分析し、収益力を改善していきます。大阪のなんばパークス店では増加するインバウンド(訪日外国人)客も意識し、アパレル分野を拡大するなど今秋からてこ入れを図っています。
既存店の販売効率も改善します。キャンプギアなどの落ち込みを雑貨類でカバーし、売上高は前年実績の確保を目指します。また組織運営の体制強化に向け、8月には大阪支店を開設。かつらぎ町では町の公募型プロポーザルで町有地を取得しており、来期以降の本社移転も検討中です。
ほりにし事業では今期中に、グローバル化に着手したいと考えています。現地パートナーとなる代理店を活用し、中国、米国での拡大を検討しています。
日本では引き続き、ほりにしのブランディングに力を入れていきます。様々な企業との協業を広げ、8月にはマヨネーズを掛け合わせた「ホリネーズ」を開発しました。地域限定のアウトドアスパイス「ご当地ほりにし」は、現在30市町村近くと取り組んでいます。ほりにしを各地の特産品や郷土料理と組み合わせることで地域の食材を掘り起こして地域が元気になれば、地方創生にも役立つと考えています。