靴輸入卸のGMTは2月4日、総輸入代理店を担うスペインのシューズ「カラハン」の路面店「カラハン東京」を、東京・南青山6丁目にオープンした。日本初の直営店で、独自のコンフォート機能のシステムを持つ同ブランドの販促に力を入れていく。
店舗は骨董通りに面し、売り場面積は約30平方メートル。定番のレザースニーカー、トラッド靴タイプなどのほか、新作や限定商品など約60SKU(在庫最小管理単位)を揃えた。これまで扱いの少なかったレディスモデルも、デザインや色のバリエーションを充実させた。
カラハンは、スペイン北部のアルネドを拠点にするヘルガー社が87年にスタート。人間工学に基づいて足の動きに順応する靴を研究・開発し、04年に国際特許を取得したソール「アダプタクション・テクノロジー」を強みにグローバルビジネスを拡大。特殊な設計で、地面を蹴り上げる動きによって、足裏の幅が5~8ミリメートル広がる。靴との摩擦を減らし、衝撃を吸収してエネルギーに変え、長距離の歩行でも快適に活動できる。
GMTが日本で輸入卸を始めたのは19年春から。アダプタクション・テクノロジーに、波をイメージした立体形状の「マレソール」を融合したシリーズを中心に、百貨店や都心のセレクトショップに卸売りしている。空洞のある2層のEVA(エチレン酢酸ビニル)ソールが人目を引き、クッション性の高さと安定感のバランスが取れている。日本向けに、トラッド靴のアッパーを採用したモデルを製造してもらうなど、ファッション価値を高めて国内の支持層を広げた。
カラハン東京のオープン時には、本国からデザイナーのイヴァン・ガルシアさんが来日。「小さいながらも、カラハンの魅力をきちんと伝えられる店になって、とてもうれしい。こうして日本に拠点を持てたことを誇りに思う。私たちにとって歴史的な出来事になった」と話した。