まもなく60周年を迎えるプラザは、米国のドラッグストアをモデルに66年、東京・銀座のソニービルで生まれました。輸入生活雑貨店として、海外の新しい生活スタイルを紹介する日本で初めての業態でした。70年に2店目を出し、79年の12店目出店からFC事業を始め、今では全国で140近くに店舗が広がりました。
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そんなプラザを運営する会社に私が入社したのが22年8月。初めに感じたのが社員のプラザ愛の強さです。学生時代のアルバイトや新卒で入った人ばかりで定着率が高く、親子2代で働く人も多い。入社して3カ月で全店を回りましたが、どの店でもみんな楽しそうに働く姿を見て「自社愛の強い社員が揃う魅力を生かし、様々な新しいことができる」と手応えを得ました。
コロナ後に従来のビジネスの成功体験が通用しなくなり、再成長のため外部から呼ばれた当初、気になったのが挑戦の少なさ。未出店地域も多いので、まずECを強化し、独自商品拡充のため環境対応型ニットバッグなどのブランドを手掛ける企業をグループ化。売れ筋に合わせた売り場の改編や改装に着手し、客層が特殊な羽田空港第1ターミナル店は品揃えから見直して好評です。
従来と立地や客層、規模の異なる店舗も開発中で、10月に人通りの多い福岡・天神地下街の駅改札前に、既存店の半分以下の小型店を出して好調。来春には都内に男性も入りやすい期間限定店を出す計画です。
(プラザスタイルカンパニー エグゼクティブプレジデント 鈴木努)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。