ブランド買い取り「ブランディア」 海外販売比率を5年後5割へ

2021/08/11 06:30 更新


仙頭社長

 ビーノス子会社のデファクトスタンダード(仙頭健一社長)が運営するブランド品・アパレルの買い取り・販売サービス「ブランディア」は、海外販売比率を現状の10%から5年後に50%にまで高める。海外に販路を広げることで、「より高く買い取り、顧客満足を向上させる」考えだ。二次流通市場はフリマアプリが浸透しているが、安心感と適正価格が求められる高単価のブランド品の取り扱いをさらに強めることで差別化する。SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも積極化する。

(藤川友樹)

 同社は20年に越境EC支援のビーノスの完全子会社となり、そのネットワークを活用する。すでに米「イーベイ」や東南アジア「ショッピー」、仏「ヴェスティエール・コレクティブ」、中国「天猫国際」など海外のマーケットプレイスに連携・出店し、順調に流通額が伸長。海外販売比率はこの1年で6.3%から10.3%に拡大しており、今後も連携や出店を強める考えだ。

 国や地域ごとに好まれるブランドは異なるため、需要の高い地域でより高く売り、日本のお客からの買い取り価格にも反映することで「高く買って高く販売する構造」を作る。ビーノスグループとして「どの国で高く売れるのか」というデータを蓄積しており、「同じブランドでも地域によっては日本の2~3倍で売れることもある」(仙頭社長)という。

 海外で販路を着実に増やすことと並行して、国内での買い取り商品の「高単価シフト」を進めるため、買い取りチャネルの拡大や既存チャネルのサービスの改善を行い、平均買い取り単価は1年で2倍以上になった。

 同社は宅配買い取りを基本にしているが、「高額商品を宅配で送るのは心配」というニーズに対応するため都内に7の直営店を出している。これまでCMなどで認知はしていても利用したことがなかったという新規客の来店も増加。昨年からオンライン査定「ブランディアBell」も開始しており、成約すれば商品送付前でも査定金額を即振り込むスピーディーなサービスが好評で、リピーターの獲得につながっている。

 SDGsにも積極的に取り組む。同社は1日に約1万点を査定しているが、偽造品や買い取り対象外ブランドなど、結果的に廃棄されてしまう商品が全体の6~7%になるという。月間で約4トンを廃棄せざるをえなかった現実と向き合い、30年までに同社のサービスから出る廃棄ゼロを目指す「廃棄0プロジェクト」を20年4月に開始している。

 7月に東京・吉祥寺にオープンした直営店では、廃棄衣料をワークスタジオが開発したファイバーボード(繊維圧縮成形板)の「PANECO」(パネコ)としてアップサイクルし、什器として使用している。

 二次流通自体が商品を長く使うという視点ではサステイナブル(持続可能な)だが、「どうしても使えなくなったものを新たなアイテムとして生まれ変わらせることで、一段と踏み込んだSDGsに取り組みたい」としている。



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