ジェーシーインターナショナルトレードが運営する「ボディーライン」はコスプレアパレルのショップだ。自社で企画し、中国の工場と直接取引して生産する衣装や雑貨は、気軽に買える価格と商品、サイズのバリエーションが受け、ここ数年で海外向けの販売が、店頭、ECの双方で伸びている。海外向けの販売をさらに伸ばすため、中国出店や欧米、アジアへの情報発信を強化する考えだ。
(柏木均之)
常時3000品番を用意
同社は03年の設立で、当初はチャイナドレスをECで販売していた。その後、ゴシック、ロリータ、パンクなどの衣装も企画・生産するようになり、04年にはボディーラインとして原宿竹下通りに出店。10~11年ごろからセーラー服やメイド服などコスプレ向けの商品も扱うようになった。現在は大阪にも店があるほか、自社サイトやモールでネット販売もしている。
自社で商品を企画し、中国の縫製工場十数社と直接取引して生産している。素材や副資材も自社で調達しており、洗濯して繰り返し使用できる品質を備えながら、価格は1着3000~6000円と手頃だ。アパレルだけでなく、靴やウィッグ、ヘアアクセサリーなどの雑貨まで含めると常時3000品番程度の豊富な商品数も強みになっている。
2年前に海外販売の拡大にも乗り出した。アパレルのサイズを7Lまで広げ、自社サイトやSNSで海外向けに情報発信を増やしたところ、ECで海外向けの販売が増え始めた。欧米向けではロリータ系の服が売れ、アジア向けではセーラー服やメイド服などコスプレ系の商品が人気という。
上海にも出店
ECだけでなく、竹下通りの店にも外国人客の来店が増えており、現在は来店客の半分以上がインバウンド(訪日外国人)という日もある。外国人旅行者が気軽に買い物できるよう、店頭で商品をチェックした後、QRコードを通じてネットで注文できるサービスも提供している。
通常、コスプレアパレルはクリスマスやハロウィーンなどのイベントがある時期に販売が集中することが多いが、外国人需要を取り込んだことで、年間を通じて販売が安定するようになった。
今後は、卸売りで販売している中国で7月、上海に店を出すほか、その他の外国市場に向けて情報を発信するため、日本のポップカルチャーを紹介する海外イベントへの参加も検討している。