《尾州マテリアル・エキシビション24年春夏㊦》糸使い・加工で夏らしさ演出

若手デザイナーに人気のムラ染め（ミズホインパナ）

　24年春夏尾州マテリアル・エキシビション（BME）ではカットジャカードやファンシーツイードで尾州らしい素材のほか、綿、麻、キュプラなどの糸の組み合わせで夏らしさを出した。風合いはソフトでやわらかい素材だけでなく糸や加工でハリ感や硬さを出した素材も目立った。独自の染色技術や新しく導入したジャカード機を生かした素材提案もあった。

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カジュアル向け充実

　三星毛糸は従来のフォーマルに加えラフでカジュアル向けを充実させた。ウールとリネンの交撚糸使いの素材など打ち出した。ウール100%でもタンブラー加工でシボ感を出しカジュアルにみせた。ふわっとソフトな手触りのものから硬めの風合いまで両方揃えた。

　フォーマル向けにはシルクウールを打ち出した。経糸にウール、緯糸にシルクを交織し、上品な光沢を持つ。精紡交撚糸のウール・ポリエステル織物は二重織で「シルエットをかなりきれいに出せる」として好評だ。

　時田毛織は新素材の「ビンテージ・シリーズ」を紹介。経糸をウール、緯糸をリネンで交織し、シワ加工で表情感を出した。ラフ感、カジュアル感を加えた素材としてメンズ、レディスのスーツ向けに提案する。