レイングッズのビコーズ 期間限定店の出店増 発信やブランドアピール

2021/05/19 10:58 更新


 傘などレイングッズメーカーのビコーズ(東京)は22年1月期、「見て、触って、買う機会の創出とブランドの認知度向上に取り組む」(渡辺一徳社長)ため、期間限定店の出店や情報発信を強める。コロナ下の、消費者の外出自粛や取引先小売店の苦戦傾向の中で、メーカーとしてブランドのアピールを強める。

 期間限定店はこれまで、年2回ほどだった。今期はすでに4月から、東京ソラマチや銀座ロフトに出店。緊急事態宣言の再発出や感染拡大で不確定な部分もあるが、今後も6月から三越伊勢丹グループの立川店や浦和店、星ケ丘店、新潟伊勢丹などに出店する予定。

 ブランドは「ビコーズ」や環境に配慮した「ユーデイ」、ペットボトルリサイクル生地を使った「リ・ペット」シリーズ。特に、新ラインのリ・ペットシリーズは、世界中から集めた廃ペットボトルからできたサステイナブル(持続可能)なペットボトルリサイクル生地を使用。企業の取り組みや環境への配慮などを丁寧に伝えていくためにも、実店舗は重要と考えている。

 コロナ下でネット販売は4月が前年同月比1.5倍、19年比では約3倍と好調だが、軽さやUV(紫外線)カット加工などの機能性、持ちやすい持ち手の工夫などが「ネットでは分かりにくい」ため、店頭での訴求を強める。実際に期間限定店で、3本のペットボトルから1本の傘ができあがるなどをビジュアルで演出することで、「反応がよく、少し気にしてもらえるだけで、サステイナブルの意識にもつながっている」という。ブランドのアピールに加え、「サステイナブルの興味の入り口にもなり、市場や意識の活性化に取り組んでいく」として、百貨店やファッションビルとの関係も深めて期間限定店の出店を増やしていく。

一時休業し5月12日に再開した東京ソラマチの期間限定店


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