ビューティフルピープルは、デジタル配信したパリ・コレクションに続き、東京でリアルショーを行った。楽天が日本発ブランドを支援する企画「バイアール」の一環。会場に入ると、暗い空間の中央に透明なピラミッドが設置されていた。パリ・コレクションで何度となく目にする、ルーブル美術館を代表するモニュメントそのもの。着席する頃には、意識は東京からパリに誘われていた。
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映像から感じられたフィルムノワールのようなエレガントなムードから一変、日常を感じさせるスタイルが登場した。テーマは、一つの服を上下入れ替えて着ることができる「ダブルエンド」(両頭使い)。パリと同じテーマだが、ビューティフルピープルらしいリアリティーを感じさせる。マスキュリンな白シャツとクラシカルなボウブラウス、ケープレット付きの膝丈コートとマーメイドシルエットのロングコート。会場の両サイドから出てきた同じ服のモデルが、中央ですれ違うとき、シルエットや着丈の違い、雰囲気の違いに気づかされる。マリン風ジャケットとパフスリーブのアウターなど、マスキュリンからフェミニンに変化するものも多く、どうなっているのかと考えさせられる。同じ服を逆さまにして男女のモデルに着せることで、単なるツーウェーとは違って見える。ショーは題して「セルフラブライブ」。パリと東京を両方見ることでストーリーが完結する企画となった。
(青木規子)