ビームス、組織再編でスピードアップ

2015/05/15 08:35 更新


 ビームスは意思決定のスピードを上げる。3月1日付で組織再編を実施し、商品の企画、生産、供給を担う商品統括本部と、店舗の管理・運営を行う販売本部の機能を統合、ストア業態ごとの事業本部制に切り替えた。二つに分かれていた店舗への指示を事業本部が一括して行い、課題への対応を加速する。

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 再編で事業本部を四つ置いた。第1事業本部は主力の「ビームス」、第2事業本部はオリジナル主体でSPA(製造小売業)型の「ビーミング・ライフストア」「ビームスライツ」「ビームスゴルフ」を主管する。このほかアウトレット事業本部、EC(電子商取引)やライセンス事業などを統括する開発事業本部を置いた。

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 それぞれの事業本部が直接店舗を直轄し、商品供給、店舗運営を行う。店頭で店長以下、販売スタッフが得た情報を商品系、販売系問わず事業本部が直接吸い上げることで、市況や消費の変化への対応速度を上げる。

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 昨年度には、ビームス業態のメンズ、レディスでの商品区分を統合し、カジュアル、ドレスのカテゴリー分けに切り替えている。都内の旗艦店を除き、地方やファッションビルなどで複数のオリジナルレーベルを組み合わせた男女の総合店が多いためだ。今後は第1事業本部が、立地に合わせ一元的に各店の品揃えのバランスを管理する。

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 ビームスの15年2月期業績は売上高685億1000万円で前期比5.5%増。消費増税の影響で、既存店売上高は横ばいにとどまったが、12年から出店を開始したSC向け業態、ビーミング・ライフストアの店舗数が20店まで増え、増収を果たした。増税による売れ行きの失速や小売市場でのセールの常態化、長期化で値引き販売が増え、減益だった。

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 今期は新規出店を抑制する一方、3月に実施した商品系と販売系の組織統合による本社と店舗の連動強化をテコに、既存店売り上げ底上げに力を入れる。シーズントレンドの提案を鮮明にしたことで、昨年来好調なメンズのカジュアル部門だけでなく、レディスでも商品カテゴリーごとにブランドイメージに沿った売り場作りを強化し、増収増益を計画する。

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