ビームス EC専用新レーベル「ビームス・ドット」開始

2020/03/17 06:30 更新


「今着たい服」を手頃な価格で

 ビームスは17日、EC専用レーベル「ビームス・ドット」をスタートする。10代後半~20代前半の男女が「今の気分で着たい服」で、手頃な価格帯。自社ECのほか、25日からゾゾタウンでも販売する。

(柏木均之)

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■座談会で意識調査

 ビームスは30~40代の大人客が中心顧客で、若い世代の取り込みが課題となっていた。新レーベルを立ち上げるに際し、ある大学の関係者と協業し、高校生を含む10代後半~20代前半の学生を集め、座談会や合宿形式で、どうやって服を選ぶか、どんなスタイルが好きか、よく買う価格帯など、ファッションに関する意識調査を行った。

 春物の商品はウィメンズ、メンズ各70型。ウィメンズは袖を取り外してベスト風にできるトレンチコートや丈を変えてロングにもショート丈もなるアウターなど、ツーウェー、スリーウェーで着こなしを変えられるアイテムが中心。肩にスリットが入り、肌見せができるニット、パンツはゆるめのシルエットでトップをウエストインして着るタイプなど、調査から浮かび上がったデータを元にデザインを考案した。

その日の気分で自由にレイヤード

 メンズはシャツやカットソーなどトップもアウターもゆったりめのデザインが多く、Tシャツのプリントには古着っぽく見えるモチーフをあしらうなど、若い世代に好まれるディテールを取り入れた。男女それぞれに向けて企画しているが、トップやアウターはユニセックスでの着用も想定している。

 新レーベルはビームスのアウトレット部の生産背景を使い、買いやすい価格帯にした。トップが2900~6000円、ボトム4800~6200円、ワンピース4400~6200円、春アウター9000~1万3000円など。

ユニセックスで着られるアイテムも

■インフルエンサー起用

 販促にはターゲット客層に人気のあるインフルエンサー10人を起用する。彼らがビームス・ドットの商品から自由に選んだ商品を着用し、画像や動画をSNSで発信し、ECでの購買につなげる。インフルエンサーからはデザインや色、着用感に関する意見も聞き、企画に反映する。将来的には彼らをフォローする客の声も取り入れ、若い世代が欲しいと思う商品をタイムリーに企画、販売する仕組みを構築する考えだ。

若い人の服選びの感覚に応える

責任者を務める、昨年9月に入社した24歳の米山友里恵さんの話

 学生時代からネットで服をよく買っていた。おしゃれはしたいけれど、フェスにも食事にも行きたいし、使えるお金に限りがあるから、スマ―トフォンとにらめっこして安くなったタイミングに買ったりしていた。

 でも届いた商品の感じが違ったり、品質が良くなかったりもあって失敗したと思うことも多かった。その日の気分で「可愛く」とか「格好良く」とか、どんな風に着たいか変わる。1着で何通りにも使える服が欲しいとか、気に入ったらメンズでも構わないとか、若い人の服選びの感覚に応えられて、満足してもらえるデザインと品質のバランスを考えた。

 ECでの見せ方も必ずモデルの着用画像を用意し、若い人向けと分かるように光や影の加減にも気を付けた。夏にはゆかたや水着なども作る。SNSを通じてコミュニティーを育て、若いお客様が「今欲しい、着たい」と思う服を提供したい。

米山友里恵さん


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