奥山メリヤスの「BATONER」 海外から高評価

2017/08/23 10:59 更新


 奥山メリヤス(山形、奥山幸八社長)のオリジナルニットブランド「BATONER」(バトナー)の海外販売が好調だ。仏トラノイなど国際見本市を起点に販路を広げ、今年からジェトロ(日本貿易振興機構)山形の輸出支援が決まった。

 バトナーは、同社の3代目にあたる奥山幸平さんが13年春夏から立ち上げた。〝新しいスタンダードを作る〟をコンセプトに掲げ、オーセンティックな雰囲気に今の気分を取り入れたデザインが特徴。企画・デザインは奥山さんが手掛け、生産は自社工場を軸に産地で一貫する。一見してシンプルだが、「細部の仕上がりの圧倒的な美しさ」(バイヤー)など熟練の技術に裏付けられた品質の高さから、スタイリストやバイヤーの間で人気に火がついた。その後、国内のセレクトショップや専門店、百貨店の販路が拡大し、5年目に同社の柱事業に成長。バトナーを入り口に、本業のOEM(相手先ブランドによる生産)につながるケースも増えている。

 海外は、今年1月の仏トラノイを皮切りに本格進出した。細部まで気を配った物作りや品質の高さが評価され、初出展で15社から引き合いがあった。独、米国などのセレクトショップから受注した。6月に2回目のトラノイ、7月には米リバティーフェアーズのジェトロパビリオンに参加し、来年1月のトラノイへの出展も予定している。

 ジェトロ山形はこれまでも、同社に対し、貿易実務や海外展示会出展に関するアドバイス、現地バイヤーへの広報活動などを行ってきたが、今年から2年間、輸出有望案件発掘支援事業として、ファッション分野の専門家を海外展示会や商談に同行させるなど「さらに踏み込んだ支援を行う」としている。

国内外で拡販し技術継承にもつなげる(18年春夏コレクション) 



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