BASFとインディテックス 100%繊維廃棄物で作った服の販売開始

2024/02/02 06:28 更新


キルティングパーカには生地やファスナー、縫い糸も全てリサイクルナイロンを使用

 グローバル化学メーカーのBASFはインディテックスと組み、〝繊維to繊維〟リサイクルによるナイロン100%商品の販売を開始した。繊維廃棄物をケミカルリサイクルしたBASFの「ループアミド」を生地、ボタン、ファスナーなどすべてに使用した。今後、ループアミドの商業ベースへの引き上げを目指す。

 インディテックスの「ザラ」でキルティングパーカ(日本では3万2990円)1型を1月23日から世界で販売開始した。原糸製造の伊ラディチグループ、YKK、独フロイデンベルグといった副資材メーカーの協力も得て、生地、ボタン、ファスナー、縫い糸など樹脂パーツを含むすべてをリサイクルナイロンで製造した。

 BASFのループアミドは100%繊維廃棄物を原料にしたナイロン6ポリマー。同社のケミカルリサイクル技術によって、通常はリサイクル困難なスパンデックス混などあらゆる複合素材に対応し、バージンと同等の品質を実現する。原料はスペインの慈善団体、カリタスが運営する古着回収プログラムを通じて調達した。

 インディテックスは30年までにすべての繊維製品で、環境負荷を抑えた素材に切り替える計画。ハビエル・ロサダ最高サステイナビリティー責任者は「今回の協業は新しいテクノロジーを使った循環型ソリューションの第一歩」とし、引き続き両社での取り組み拡大を目指す。

 BASFはナイロン6ポリマー及び原料のカプロラクタムの製造をグローバルに行っている。モノマー部門のランクマー・ダルバ社長は「ファッション業界の循環実現に向け、重要なマイルストーンに到達できた。商業ベースの数量を提供できるよう、技術のスケールアップを進めている」としている。

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