バロックジャパンリミテッドは上場後初の上期(2~7月)決算で減収、全ての損益段階で赤字となった。「アズール・バイ・マウジー」などSC向けが価格競争で苦戦したため。SC以外は順調だった。
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「高付加価値提案に自信を持ちすぎた。SC客のニーズに合っているか再考する」(村井博之社長)方針だ。アズールは客単価のアップを目指したが、客数は20%近く減少。首都圏の店舗では売り上げを伸ばしたが、地方SCで苦戦した。また、在庫処分で値引きや評価損が増加。粗利益率が3.1ポイント悪化したのに加え、広告宣伝費や人件費増で販売・管理費が増え、赤字につながった。
下期はSCのMDを見直す。価格を含めた全国一律型を、都心型と地方型に分ける。品質は落とさずに「SCM(サプライチェーンマネジメント)の努力による低価格の実現」にも着手する。例えば、デニム製品で日本製だけでなく、縫製・加工の海外生産にも乗り出す。
不振のもう1つの原因は自社ECサイトのトラブル。システム切り替えの遅れや初期不良で、7月には客数が40%近く減少した。システムはすでに改修を終え、テストではサイト訪問者数は20%増えた。
今後は、10月初旬に導入する全社共通のポイント会員サービス「シェルター・パスポート」の顧客データを活用。購買率の向上や実店舗との買い回りの強化、販促の効率化などに期待する。