バロックジャパン「シェルターグリーン」 独自接客で園芸業界に新風 販売員のキャリア形成にも期待

2023/07/14 15:00 更新有料会員限定


 「シェルターグリーン」は、バロックジャパンリミテッドの業態の一つで観葉植物と園芸雑貨を販売する。アパレルの枠を超えた新規事業の開拓を課題とする同社が21年秋に始めた。アパレルならではの接客で既存の園芸店と一線を画す。販売員の多様なキャリア形成にも期待する。

(関麻生衣)

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商品の数だけ提案もある

 アパレル企業を母体にする同業態は、商品の品質や希少性はさることながら、スタイリング提案をするような接客で従来の園芸店と差別化する。時には客に自宅の雰囲気を聞き、住空間に合った植物を鉢と組み合わせて見せる。植物の美しさを引き立たせる鉢はオリジナルのものもあり、ファッションの感性を光らせる。鉢と一緒に売り、客単価アップにもつなげている。

鉢はオリジナルもある。「きれいな鉢と一緒に売るのも大事」にしている

 「植物は生き物なのでマニュアル通りにいかないことが多い」とはグリーン部マネージャー兼ガーデナー兼バイヤーの髙島敦さん。一般に流通する植物の種類は幅広く「相当勉強しても知り尽くせない」。同じ品種でも幹や枝の形や葉のつき方に同じものはない。

髙島敦さん

 比例して人の好みも千差万別で、接客に一つの正解がないのが難しさだが、ここに、アパレルの接客が生きてくる。客一人ひとりに趣味があり、服を着る場面も色々ある。客のニーズを基に、服や着こなしを提案するスキルは植物の販売にも通ずる。

 園芸業界でキャリアを積んだ髙島さんは、園芸店での店長経験もある。当時から、アパレル出身者の商売への意欲や接客力を見て「売る力がすごい」と感じてきたという。

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