アシックスは、20年の東京五輪も視野に入れた次世代の陸上スプリントシューズのプロトタイプを開発した。スパイクピンを備えた従来型ではなく、同社独自の新技術であるカーボンファイバー素材をベースとした立体構造を靴底に取り入れているのが特徴。
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通常のスパイクシューズは、金属製のスパイクピンを地面に貫入させ、高いグリップ力を得ることで推進力を引きだし、スピードにつなげているが、ピンの付いた部分を曲げることはできなかった。
試作モデルは、地面を「点」でとらえるスパイクピンと異なり、接地面を増やして「線」でとらえるようにすることで、より効率的に高い推進力を得ることが期待できるという。また、スパイクピンを搭載しないため、従来品より軽く、設計上の自由度も広がる。同社は同モデルの靴底構造について特許を取得した。
29日に都内で開いた、「アシックス創業者鬼塚喜八郎氏の生誕100周年記念レセプション」の場で、同モデルを発表した。アシックスは創業者の生誕100周年を記念した商品を出すほか、30日から6月4日まで伊勢丹新宿本店本館7階で関連イベントを行う。