アシックスは3月5日、アクティブなシーンからリラックスタイムまで幅広く寄り添うライフスタイルブランド「ウノハ」を発売する。国内事業を管轄するアシックスジャパンの販路ではなく、アシックス本体で商業施設での期間限定店を開設しつつECを主力販路とする。本体で直接ファッション分野へ参入する新たなチャレンジで、ユニセックスラインの立ち上げや海外進出も視野に入れている。
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ウノハは「卯(う)の花」から。枝を空洞にしてエネルギーをうまくコントロールして晩春に咲く卯の花のように、人々の心身のバランスを大切に、日常に寄り添ってファッションやライフスタイルを提供していく。
同社の「サステナビリティ・ビジョン」に基づき、サステイナブル(持続可能)な素材を使う。21年春夏物は商品の約6割にリサイクルレザーや残反、天然成分由来の抗菌防臭加工を施したオーガニックコットン糸などを使った。パッケージもリサイクルペーパーなどエコ素材。
ターゲットは25~35歳の女性で、日常着としても使えるライフスタイル市場を狙う。21年春夏はアパレル(5300~1万8000円)が11品番、シューズ(8500~1万2000円)が5品番、バッグ・小物が6品番の計22品番。アパレル商品は主に日本生産。
公式オンラインストアは3月5日から開始し、ワールドオンラインストアにも出店する。期間限定店は3月5~13日に東京・渋谷「441」で開設、3月16日~4月5日に渋谷スクランブルスクエアに設ける。
生活シーンにも寄り添う
「ウノハ」を開発したウィメンズ・クリエイティブ・スタジオの三浦亜友マネージャー
当社は多様性を尊重し高め合うチームとしてイノベーションの創出を目指して「ダイバーシティー&インクルージョン」を推進している。その一環で女性社員を中心としたプロジェクトを立ち上げた。19年7月に着手し、専任チームが20年1月から発足した。すぐに新型コロナウイルス感染拡大が始まったが、プロジェクト自体はそう遅れることはなかった。
アシックスのブランド・スローガンである「サウンドマインド・サウンドボディ」から、身体だけでなく、心のバランスも重視した。スポーツだけでなく、ライフスタイルにも寄り添っていければと考えている。
チームは11人で、専任担当6人のほか各部署から5人にサポートしてもらっている。専任担当は20~30代の女性で、企画からマーケティング、販売まで一貫している。私は元々、アシックススポーツ工学研究所で野球や陸上競技のスパイクなどシューズの研究していた。
ヨガや軽い運動、通勤、ジムの行き帰りでも使える商品で、スポーツで培った機能性を日常に落とし込み、サステイナブルな面を重視している。
デザインはシンプルなものを中心に、遊び心のあるディテールを加えている。色は日本で親しまれてきたぬくもりのある柔らかいものを選んだ。