「アシードンクラウド」(玉井健太郎)の19年春夏向けは、トレジャーハンターやバイカーなどの機能的なユニフォームをベースに、テキスタイルの変化でレディーライクに見せた。
テーマは、クンストハンマー(脅威の部屋)と呼ばれる、中世ヨーロッパで珍品を集めていた博物陳列室。貴族を相手に珍品を販売していた商人をイメージしたトレンチコート(5万8000円)は、取り外してサコッシュにできる大きめのポケット、カードを入れる蛇腹ポケットなど作業着的な要素を反映しつつ、パラフィン加工のコットン・ナイロンの薄手の生地を使ってライトに仕上げた。同様の作りでベストもある。ストライプのシャツの下に合わせるのは、コットンのレース編みスカート(2万8000円)。ビンテージっぽさを感じさせるテクスチャーに特徴を出す。
シャツやワンピースに使っている、オリジナルのプリント生地は、ケルトの神話に出てくる白樺の木に、14種の木の花を散りばめたもの。氷河期の後に最初に根を下ろした白樺を開拓者ととらえ、玉井らしいセンスで優しい世界を描いている。