高田賢三さんへ最後のオマージュ 収集品が競売に

2021/03/01 06:29 更新


自宅での高田賢三さんⒸMitchell Geng/Artcurial

 【パリ=松井孝予通信員】パリの競売会社アールキュリアルが、昨年10月に他界した高田賢三さん所有のアートコレクションのオークションを5月11日に開催する。出品されるのは、パリ左岸セーブル通りの賢三さんのアパルトマンに飾られていた絵画や写真、彫刻、工芸品、陶器、家具・調度品など約600ロット。賢三さんが描いた絵やデザインした家具なども初めて競売にかけられる。

 賢三さんが亡くなるまで15年間住んでいたアパルトマンは、漢時代のヒノキの馬の彫刻(評価額2万~3万 ユーロ )、3世紀ごろのブッダのトルソー(1万~1万5000 ユーロ )、ウィリアム・エグルストンの写真シリーズ(3万~4万 ユーロ )、クリスタルのシャンデリアやアール・デコの調度品など、東洋と西洋が永遠の時間の中で混じり合う美術館に匹敵する空間だった。

 ステファン・オベール競売吏は、「賢三コレクションは天才クリエイターであり文明を愛した装飾家のすばらしい審美眼を表している。このオークションは様々な才能を持ち合わせたアーティスト高田賢三さんへの最後のオマージュとなるだろう」と話した。競売品は5月7~10日、シャンゼリゼ大通りのアールキュリアルで展示される。



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