婦人服メーカーのアリエス(大阪府吹田市、山田康幸社長)は大阪文化服装学院と、レディス「アンナニコラ」で共同開発に着手した。新卒採用の再開とともに、企画について若い感性を生かした新しい発想を取り入れるのが狙い。5月下旬に学生4チームによる1回目のプレゼンテーションが行われたところで、今後も9月に開催する展示会に向け、両者で商品開発を進めていく。
参加したのは、ファッション・クリエイター学科アパレルデザイナーコースの3年生16人(4チーム)。同コースは企業デザイナーを目指すもの。今回はアリエスのアンナニコラの既存顧客を意識し、ライフスタイルやトレンドなどを分析し、既存商品のラインナップにはないゾーンを狙ったデザインの提案に取り組んだ。
アリエスのショールームで、各チームがターゲット像や企画の背景を含めたプレゼンを実施。両者で質問などのやり取りも繰り返された。引き続き共同企画を練り上げ、採用されたデザインはサンプル制作し、実際に展示会で提案する予定だ。
アリエスは、専門店などへの卸を主力にした婦人服メーカー。22年に服飾雑貨ブランドを立ち上げるなど、コロナ下も意欲的なチャレンジを続けている。今期(23年7月期)の売上高は、「コロナ前に近い状態まで回復できる見込み」(山田社長)と言う。
「今回の協業をきっかけに、久しく実現していなかった新卒採用にもしっかり取り組みたい。デザインソースに新しい発想を入れることも良い刺激になるはず」と考え、共同企画を開始した。大阪文化服装学院としても、「学生が単純にデザイン案を提出するだけでなく、アパレルメーカーにおける一連のプロセスも経験できる大変有意義な機会」と捉えている。