アメアスポーツジャパンは、輸入販売するカナダのアウトドアブランド「アークテリクス」の小売り事業を強化している。23年12月期中に直営店を15に拡大。今後も優良立地に大型店を設け、サービスも充実する。
日本では14年に東京・原宿の明治通り沿いに路面店を構えて以来、ディベロッパーからのオファーが増え始め、現在は13店ある。9月には都内と関西に出店する計画だ。
中長期的には国内で25~30店にする。モール内ではアウトドアラインの製品を全て揃えられる約330平方メートルクラスの売り場を想定し、路面店では都市生活向けのライン「ヴェイランス」も導入する。
アークテリクスは89年にバンクーバーで設立されたアウトドア用品メーカー。本社にはR&D(研究開発)機能を備えた自社工場を持ち、取引工場に対してクオリティーの管理ができるため、高品質を維持できるのが売り。色専門のデザイナーを15人抱え、縫い糸にまで細かな指示を出すなど高機能ウェアでありながら、「プレミアムメゾン並み」(高木賢ブランドヘッド)の色へのこだわりも特徴。
アメアジャパンは13年に国内総輸入元となり、日本でのブランディングを強化。値下げ・乱売をしない販売方針を貫き、ブランドのイメージ構築に成功した。売れ筋はハードシェルや化繊インサレーションで、「アルファSV」「ベータLT」などが人気。バックパックも売り上げの20~30%を占める。
日本での売り上げは上昇基調で、22年12月期は過去最高売上高と伸び幅を更新した。好調要因について高木氏は「シンプルなデザインと細部にわたる物作りの良さが支持されている」と分析する。
今後も〝マウンテンアスリート〟をテーマに、アウトドア遊びにフォーカスした商品とマーケティングに注力する。増加する小売店舗のソフト力を強化するため、リテールスタッフの実地研修なども開始。実際の雪山でジャケットの機能性を実感するような取り組みをしている。
直営店・ECの売上高比率は60%、卸は40%。直販比率が高いが、「地方の優良ユーザーにきちんと関係を作れているのは専門店」として、今後もパートナーシップは維持・強化する方針。そのため全販路を伸ばす。