靴資材メーカーの新井商店 害獣の鹿革使った靴 卸先の拡大目指す

2023/12/04 11:30 更新


幅広で足なじみが良い鹿革の靴

 靴資材メーカーの新井商店(大阪)は、害獣革専門ブランド「ポルティラ」(A.I.C.、兵庫県たつの市)と協業し、サステイナブル(持続可能)な鹿革シューズを開発、卸先の拡大を目指している。

 創業73年目の新井商店は、従来よりも30%軽量のウレタンソール(72グラム)を使い、害獣として駆除された鹿を用いたポルティラの鹿革をアッパーにしてシューズを作った。ポルティラは、害獣として駆除され、これまで廃棄・焼却されてきた鹿皮をなめし、鹿革として生まれ変わらせている。狩猟期間が限られるため調達できる鹿革の量や質も安定しないものの、通気性や耐久性に優れメンテナンスも楽。さらに包み込むような柔らかさで足なじみとフィット感が良いのが特徴だ。色は白と黒を中心に、シンプルでベーシックなデザインのスリッポンやシューレースの短靴とハイカット、ドライビングブーツ、サンダル、サボなどを揃える。税込み2万3980~5万2800円。

スリッポンからサンダル、ブーツまで揃える

 21年からクラウドファンディングサイトで8回販売し、ファンも増えてきた。リピーターが25%。20~40代女性の自家需要を中心に幅広い世代から人気だ。年配の人へのギフト需要も高い。今秋に東京の合同展に出展し、卸先の拡大を狙う。じっくり長く付き合える個店への卸を想定する。

関連キーワードサステイナブル



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事