アポロクリエイト 商品撮影自動化サービスで業績好調

2017/11/09 04:26 更新


 EC事業を始めるアパレル・小売業が増えていることを背景に、商品撮影を自動化した「フォトオートメーション」サービスを提供するアポロクリエイト(東京、鳴海千尋社長)の業績が伸びている。

 撮影や背景切り抜き、企業ロゴ貼付など一連の工程をソフトウェアで自動化しているため、素人でもプロ並みの商品撮影ができる。カメラに接続したパソコンを見ながら操作すれば、これまでプロに外注して「5~8日かかっていた作業が、当日から翌日までに短縮できる」(ユーザーの大手メンズ専門店)という。コストも大幅に削減できる。

 同社は10年から同サービスの提供を始めたが、当初は「売れずに赤字で苦労した」(鳴海社長)。それがこの間のECブームで導入企業が「加速度的に増えている」。ユーザーは3年前は100社だったが、昨年1年間で100社、今年は200社増えて合計400社を超えた。18年3月期売上高は約30%増の4億円超の見通し。19年3月期は6億円を見込んでいる。

 フォトオートメーションは米ベンチャー企業、オートリーがEC事業用に開発し、欧米などで販売している。アポロクリエイトはトナー・インクの通信販売を主力事業にしていたが、10年にフォトオートメーションの日本の総代理店となった。同代理店事業が軌道に乗ったことから、17年にはトナー・インク事業を営業譲渡し、今ではフォトオートメーションに専念している。

 急拡大のもう一つの要因は、ライバルがいないこと。欧米では追随する競合が出てきているが、日本では見当たらない。だが、「いずれ現れるだろう」と予想して拡販を急ぐ。東京の本社にショールームを設置していたが、大阪支店・ショールームと福岡ショールームを今年開設した。18年には名古屋と仙台、19年には札幌にも開設し、今後予想されるライバルに先行する考えだ。

照明付きスタジオのフォトシミリ(右)。実際にはカメラに接続したパソコンを操作して撮影する 



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