青山商事はオーダースーツブランド「クオリティーオーダーシタテ」を新たに「洋服の青山」268店に導入し、10月2日から順次受注を開始する。これによって洋服の青山全688店(47都道府県)への導入が実現した。
同ブランドは、スーツ入門者はもちろん、普段は既製スーツを着用する人、スーツにこだわりを持つ人でも身近に感じてもらえるオーダースーツを目指し、19年10月に立ち上げた。このオーダースーツは、「1着税込み3万1900円から」という既製スーツと変わらない価格帯や最短14日間の短納期に加え、いつも利用する店舗で気軽に注文できるのが特徴。またサイズやフィット感に満足できない客層の選択肢としても好評だ。
オーダースーツは、コロナ禍を経てビジネスパーソンが求めるビジネスウェアへの価値観の変化から、自分好みにカスタマイズできるとして注目されている。以前は、〝スーツ=制服〟の考え方を持つ客層が多く、複数購入する人が目立っていたが、最近は1着の質にこだわる人も増えてきた。特にスーツの着用頻度は変わり、特別な会議やプレゼンテーション、イベントなどここ一番といったところでオーダースーツを「勝負スーツ」として選択する人も5割以上いることが調査結果で分かった。
全店導入までに約4年かかった理由は「オーダースーツにふさわしい接客力を身に着けるための人材教育に十分な時間をかけているから」と強調する。オーダースーツは、既製スーツよりも採寸箇所が多くなる上に、生地やボタンといったディテールも自分好みで選べるため、販売員の提案力やヒアリング力が今まで以上に必要になる。それらのノウハウを全スタッフ、同じレベルまで引き上げるために、研修などで時間をかけ接客力を強化し続けたことで、全店展開につながった。