【今日は何の日?】『即興詩人』の白絹のネッカチーフ

2017/08/04 04:23 更新


 1857年8月4日は、童話作家で詩人のアンデルセンが世を去った日です。1805年4月2日、デンマークのオーデンセに生まれていますから、70年の人生だったことになります。父は靴職人だったと伝えられています。最初は音楽家を目指したようですが、後に詩人の道を歩きはじめるのです。

 その名前が広く知られるようになるのは、1835年以降、『即興詩人』を発表してからのこと。これはアンデルセンと思われる主人公がイタリアを旅する物語。

 日本には森鴎外訳の『即興詩人』があります。一説に「原作を超える名訳」とも言われるほどです。これとは別に、安野光雅訳も出ていますから、鴎外も安野も感動した傑作なのでしょう。

 『即興詩人』の中で、主人公がローマに近いフラスカーティで、土地の男に出会う場面があります。その男は「白絹のネッカチーフ」を首に巻いているのです。「ネッカチーフ」は懐かしい言葉ですが、また復活してもらいたいものですね。(服飾評論家・出石尚三)


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