マックイーンという才能のドキュメンタリー

2019/04/02 11:00 更新


 全力疾走し、40歳で人生の幕を下ろしたアレキサンダー・マックイーン。デザインに込めた惜しみない情熱、人の心を捉えて離さない彼のファッションのドキュメンタリー『マックイーン――モードの反逆児』が公開になる。

 奇跡的に発見されたという、彼自らが語る秘蔵映像を中心に、家族や近親者とのプライベートフィルムや独占インタビュー、また五つの貴重なファッションショーのアーカイブから構成されている。

 映像と極上のハーモニーを奏でるのは、生前に親交があった作曲家マイケル・ナイマンの音楽。ちなみにマックイーンは、デヴィッド・ボウイ、レディー・ガガ、ティム・バートンら、ファッション業界以外のアーティストとの交流を大切にしていたのだそう。

 いったいどうやってコネなし、財力なしの青年が世界的に知られるデザイナーになったのか。その問いに対する答えが随所に潜んでいるのも本作の魅力だ。それはまた彼の死から約1年後に、ニューヨークのメトロポリタン美術館のコスチューム・インスティチュートで開催され、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館へと巡回された回顧展「Savage Beauty」を連想する。5日から全国で公開。


©Salon Galahad Ltd 2018

©Salon Galahad Ltd 2018

(ライフスタイルジャーナリスト・宇佐美浩子)



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