「アライア」はピーター・ミュリエによる2回目のコレクションとなる22年夏秋を、パリ・マレにあるアライアの住まいでもあったメゾン本社で発表した。
ミュリエは、メゾンのアーカイブからアライアのクリエイションのエッセンスを継承し、巧みに、そして入念に高邁(こうまい)なプロポーションを描いた。最初のシルエットは目元まであるハイネックのボディースーツ。膝からクリノリンのボリュームを描く。このクリノリンは、片足だけのアシンメトリーのシルエットに変化したり、デニムパンツやアクセサリーへとアイテムを広げていく。アライアのミューズでもあるグレタ・ガルボをイメージさせるブルーマリンの大きな襟のオーバーコートは、背中から腰にかけてタックを取り、肩のボリュームを強調。ミュリエの建築的センスが表れる。
数々のアーティストと協業したアライア。ミュリエは、ピカソがビーナスの美しさをセラミックで表現した「タナグラ」を6シルエットのニットドレスに変え、新しいボディーラインを試みた。これはピカソ財団とのパートナーシップにより実現したもので、今後エクスクルーシブで展開予定という。
(パリ=松井孝予通信員)