環境のためのファッション協定 G7サミットで発表

2019/08/27 06:30 更新


 【パリ=松井孝予通信員】フランス南西部ビアリッツで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、仏ケリンググループのフランソワアンリ・ピノー会長兼CEO(最高経営責任者)が、環境負担減を目的とした「ファッションパクト(協定)」を発表した。

 G7に先駆け、マクロン仏大統領がピノー氏に、ファッション・テキスタイル産業の主要企業による環境負担減の目標設定を依頼したもの。この協定にはアディダス、バーバリー、シャネル、H&M、インディテックスなどの8カ国(日本は入っていない)、32グループ147ブランドが署名。同産業の約30%に相当し、当初の目標20%を大きく超えた。

 ファション協定は科学的根拠に基づく目標(SBT)を設けた活動を活用し、地球温暖化の阻止、生物多様性の復元、海洋保護の3本柱からなる。国連によると温室効果ガスの10%が同産業から排出される。同協定では50年までに排出量ゼロ達成のためのアクションプランとその実践が盛り込まれている。

 ケリングのマリークレール・ダブーチーフ・サステイナビリティー・オフィサー兼国際機関渉外担当責任者は、同協定の年間リポートの公表を確約した。ポワルソン仏環境連帯移行副大臣は仏メディアに対し、同産業が初めて自然の生態系の保護に取り組む点などを挙げ、同協定を実質的と評価した。



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