イオンリテールは、レディスカジュアルウェアが客数増で売り上げを伸ばしている。価格と陳列で消費者にアピールしている。GMS(総合小売業)の衣料品は苦戦が続いているが、主力分野で改善策が効果を表し始めた。
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改革を始めたのは17年度上期から。競争力のある価格の商品を加えながら全体の価格を引き下げる一方で、細分化していた価格帯の集約を進めた。また、コーディネート販売を志向してきた売り場を服種別陳列に切り替えた。買いやすさ、分かりやすさ、選びやすさを打ち出し、大書したPOP(店頭広告)で価格や商品特性を伝えるようにした。これらで17年度下期は、一品単価が15%下がる一方で客数を25%増やして、売り上げは10%増になったという。
税込み1500円を切る1380円のカットソーアイテムやシャツを投入。シーズン末には880円も用意する。さらに、場合によっては300円刻みで16年度は1万円以下で12あった価格ラインの集約を進めた。17年度下期には7ラインにした。型数も絞り込み、従来の7割程度にした。
こうした中で、2580円から1880円に下げた〝股下選べるパンツ〟などのヒット商品が生まれた。服種別売り場にしたことと併せて価格のアピール力が強まり、イージーケア性などの商品特性が売り場で伝わりやすくなったとみる。
18年度も引き続き価格ラインの集約などを進め、1000円刻みを基本に3、4ラインにする。ネーミングを含めて商品特性の打ち出しも強める。
18年春夏物では、接触冷感を〝夏サラ〟と名付け、ストレッチのアンクルレギンスパンツを1880円で販売。ウエストの前の部分だけストレッチ素材にして後ろからシャツが出にくくし、体形をカバーするボトムは2880円で〝背中フィットパンツ〟と名付けた。
3月は客数を28%増やし、20%の増収になったという。