イオン、綿肌着すべてをオーガニックに

2016/12/02 06:26 更新


 イオンは数年後をめどに、傘下GMS(総合小売業)などが扱う綿肌着を全てオーガニック素材使いに切り替える。グループ挙げてヘルス&ウェルネス市場に取り組む一環で、「オーガニック商品を増やして」という女性客らの要望にも応えた。

 食品でもPBにオーガニックラインを新設して9品目を追加するなど、部門を超えて拡大する。このためプロジェクトチームを本社内に設置した。

 オーガニック綿使いの商品は以前から「セルフ・サービス」ショップがアウターも含めて扱っていたが、昨年からPB「トップバリュ」のベビーと婦人衣料でも始め、今秋、紳士にも取り入れた。紳士は肌に触れる内側がオーガニック綿で、外側はアクリル。発売して1カ月経つが、計画を上回る売れ行きという。

 昨年、秋冬4型で始めた婦人は、ほぼ計画通りに消化し今秋、さらに7型を追加した。

 ベビーはOCS(オーガニック・コンテント・スタンダード=オーガニック原料の使用を証明するもの)認証を取得済み。昨年春にアウター、今春からインナーを始めた。現在ベビーの3~4割がオーガニック素材使いで、約300店での展開は有数の規模。今後トドラー、一部スクールにも広げる。

 イオンの開発コンセプトの一つは「普通の生活でも買える」だ。このため「価格は通常品の1・25倍に抑える」(柴田英二イオントップバリュ社長)方針で、紳士、婦人では通常品より200~300円高い。中心価格が580円のベビーでは、これまでの綿肌着より100円高い程度で、発売後も販売数量はまったく落ちなかったという。

 大手小売業でオーガニック綿使いを先行して拡大しているのは良品計画で、綿インナーはほぼ100%、アウターも相当数、オーガニック綿に切り替えている。生産地に入り込み、栽培方法の指導まで行う力の入れようだ。

 イオンはヘルス&ウェルネス市場部門の売り上げを20年に1兆円とする目標を立てており、オーガニック綿使いの商品でもシェアを伸ばすことになりそうだ。

イオン・オーガニック
ベビーの売れ筋ナンバーワン商品。ベビーはOCS認証を取得している

 



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