イオンリテールのGMS改革

2015/04/14 06:20 更新


 イオングループの量販店子会社、イオンリテール、ダイエーは今期、大幅な改革を行い、業績回復を目指す。イオンリテールは、「GMS(総合小売業)の時代は終わったと言われることが多いが、これを否定したい」(岡崎双一イオンリテール社長)として、改革を進める。そのため、六つの地域カンパニーへの権限委譲を行う。同社は本州と四国で360店近くのGMSを運営するが、大きな組織のためスピード感に欠けるといった問題意識があった。

 地域カンパニーは権限委譲により、仕入れ、売価設定、採用などだけでなく、改装、新店でもこれまで以上の役割を果たすことになる。例えば近畿・北陸カンパニーの売り上げ規模は5000億円を超えており、それぞれの地域カンパニーが“自立”して地域で競合企業と闘うことを想定する。各カンパニーの支店長は自立を前提とした人材を配置したという。

 一方で全社的な課題として、GMS業態の刷新を掲げる。主軸はスピンアウトして「イオン」以外にも出店できるような力をつけた専門店型売り場の組み合わせを実現すること。そしてこの間確立を目指してきたファミリーなどが対象の「イオンスタイルストア」と高齢層が対象の「GGストア」として取りまとめることを計画する。今期中にもめどをつける構えだ。力を注ぐ改装を含め、刷新を進める。

 ダイエーでは、北海道と九州とともに、関東、名古屋、近畿の店舗をイオングループ各社が承継することが決まった。地域は首都圏、近畿圏に、事業領域は食品に絞ったかたちにする。これによりGMSをさらにに減らすことになる。

 この間、食の専門大店「フードスタイルストア」の確立に向け実験を重ねてきたが、上期中に赤羽店(東京都北区)、三宮駅前店(神戸)を改装オープン、本格化する。

 イオングループが継承する店舗には、北海道、九州以外でも、14年7月に開業した金山店(名古屋)や40周年の碑文谷店(東京都目黒区)のほか、新浦安店(千葉県)、京橋店(大阪市)などの大型店が含まれる。これによりダイエーが運営するGMS、食品スーパーは、281店から193店になる。



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