アダストリア木村社長 「5度目の変革」へ店頭の重要性を強調

2025/02/20 06:30 更新


「販売の力は重要」と全国店長会議で呼びかけた木村社長

 「アパレル以外の分野でもお客様を増やし、商品とサービスの領域を広げ、提供する価値を高める」。アダストリアの木村治社長は2月18日の全国店長会議で、社員約3600人に対し同社が取り組む5度目の事業変革の重要性を訴えた。人口減少や競合激化など事業環境の変化に対応し、ファッションを軸にしたプラットフォーマーへの変化を進める考え。「変革はお客様との接点である店頭から始めなければ成功しない」と語った。

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 紳士服専門店からメンズカジュアル業態への転換、チェーンストア化、オリジナルブランドの開発、SPA(製造小売業)化と4度の事業変革をしてきた。24年3~11月の売上高は約2200億円。年商3000億円が見えてきた。今後の成長に向け、マルチブランド経営だけでなく、他社や異業種との連携、協業も大切だと木村社長は考えている。

 昨年10月には自社ECモールを「アンドエスティ」に名称変更。子会社化しオープンモール化にも着手した。本体のBtoB(企業間取引)事業も移管し改革を加速する。アンドエスティへの他社の出店も増やすことで、商品の幅を増やし、LTV(顧客生涯価値)を向上させる。「5度目の変革は店から始めないと成功しない」とも語り、「日々の接客で濃いファンを作る。店頭の販売の力は非常に重要だ」と国内外から集まった店長らに呼びかけた。

 このため、客との接点となる事業領域をアパレル以外で増やしている。24年には雑貨の「トゥデイズスペシャル」「ジョージズ」を傘下に入れた。同年3月には飲食事業を主とするグループ会社のゼットンを完全子会社化し、食の事業拡大も加速する。

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