アダストリア、全体店長会議を開催 70周年で5度目の改革への結束強める

2024/02/26 07:58 更新


国内外の従業員や取引先などが参加。昨年を上回る約3300人が集まった

 アダストリアは全体店長会議を2月20日、パシフィコ横浜で開催した。グループ約1500店の店長と本部、海外のスタッフなど約3300人が参加した。福田三千男会長と木村治社長がスピーチしたほか、従業員らの日頃の奮闘を表彰した。懇親会ではファッションショーなどを行った。

(関麻生衣)

 今期(24年2月期)は創業70周年にあたる。時代の変化に合わせて事業モデルを4度変えてきた。5度目の改革の準備期間とする来期に向け、全社の意識を統一し、結束を強めた。福田会長は70年の歩みを話した。大欲は「(従業員や日本の消費者の)生活を豊かにすること」と考え、変革し続ける重要性を説いた。23年は海外も含め、対面でのタウンミーティングを多く実施した。「自分の成長や働きがいを考える従業員の姿勢がうれしかった」。20年以降、中期経営計画で掲げる〝グッドコミュニティー〟が広がりつつあるという。「自分で枠を作らないこと。夢を語り、トライしてほしい。それがグッドコミュニティーに必要だ」とエールを送った。

「新しい豊かさを求めて、わくわくを届ける会社になってほしい」と福田会長

 木村治社長は、今期を振り返った。売上高と利益は過去最高を記録した前期を上回る想定で、「成長のための投資と現場のがんばりが実を結んだ」。四つの成長戦略の進捗(しんちょく)と来期の展望も話した。海外事業では、開拓を進める東南アジアで、タイに今夏、「ニコアンド」2号店を開き、フィリピンにも年内にニコアンド1号店をオープンする予定と発表した。新規事業では、イトーヨーカ堂との協業に言及した。「1年以上、一緒に準備してきた。今後が楽しみ。自社の視点やノウハウを生かし、地域をつなぎ、新たな顧客開拓にもなれば」と語った。

「ユニークで楽しい〝グッドコミュニティー〟を作っていきたい」と木村社長

 「好調な今こそ、5回目のチェンジのスタートを切る必要がある」。将来のために投資を続けるのが「アダストリア流の改革」で、強みの現場力と修正力があることで「スピード感を持ち、怖がらずに変化していける」。新たな改革の肝は、客との接点と対話。会員数1700万人の自社ECと掛け合わせ、「小売りを超えたプラットフォーマー」を描く。

 従業員らの活躍や成果を部門別に表彰した。MVPはアダストリア台湾で、20周年の節目での初受賞となった。同社総経理の林品余さんは喜びと感謝を表し、「努力して栄誉を得られた。目標は売上高100億円、100店舗、自社EC会員数100万人」とした。「70周年感謝賞」では、同社の成長に貢献したとして元役員らを表彰。福田会長にも木村社長と福田泰生取締役から贈られた。

 懇親会では30以上の自社ブランドによるファッションショーを行った。ダンスの演出や特別ゲストの登場もあり、会場は参加者たちの熱気で包まれた。

懇親会では自社ブランドのファッションショーも行った


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