【軌跡】《100周年迎える地方専門店の雄 「パリゴ」を運営するアクセ㊤》 祖父が開業、繁盛から衰退へ

2024/08/05 13:00 更新会員限定


高垣大安店の1925年創業当時。祖父・高垣繁太郎とその妻・チノが店を切り盛りした

 広島県尾道市。セレクトショップ「パリゴ」を運営するアクセの本社5階ラウンジからは、北に千光寺山と西国寺山、浄土寺山の山々が、南には穏やかな瀬戸内海が一望できる。風光明媚(めいび)な瀬戸内のパノラマを堪能できる千光寺山ロープウェーには多くの観光客が足を運ぶが、その建設にはアクセの前身、高垣洋装店の創業者、高垣繁太郎が深く関わっていた。現会長の圭一朗、現社長の孝久の祖父である。

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 当初、ロープウェーは当時の国鉄尾道駅からすぐの所に建設される予定だったという。それを元市長である石原善三郎が、「街全体に恩恵をもたらさない」と訴え、山麓駅を尾道駅から約1キロ、歩いて15分ほどの場所に移す運動を展開した。その時、民間側で石原を支持し、二人三脚で話をまとめたのが地元の名士、繁太郎だった。

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