前回の2014秋冬メンズ・ニューヨーク展示会レポートの続きです。
そんでもって、展示会初日。前日の夜からチラチラ降りだした雪んこが、なんと朝にはこんな状態に!
雪のせい(?)で初日から遅刻をかましつつも全く気にせず、余裕でTAKE AWAYのコーヒー買ってから会場入り。こういう所だけは環境にアダプトするのが早いワタシ、時間にルーズな感じですっかり海外モードです。海外の展示会って日本と比べて雰囲気がけっこうゆるくて、朝イチから来る真面目な来場者と言えば、極東から過密スケジュールで来ている日本のバイヤーさんぐらいです。で、夕方からは出展者は皆ビールを飲み始めたりします。
さっそく余談ですけど「TAKE AWAY(持ち帰り)」ってイギリス英語なんですね。バーガー屋で「I’LL TAKE IT AWAY持ち帰りでお願いします」、と言ったら「YOU’LL TAKE ME AWAY SOMEWHERE? ボクの事どこかにさらっちゃうの?」とメキシカンのオッサン店員(スーパーマリオ似)にウィンクされたので、ラテンアメリカの人は冗談が好きだなあと思いつつ、私も「IF YOU WISH SO お望みであれば」と、ウィンクして軽やかに冗談をかわしてたんですけど、良く考えたらオッサンにしてみりゃ、このオリエンタルのお嬢ちゃん可笑しなこと言うなあ、って私から冗談かましてたんでしょうかねえ。
ちなみに「持ち帰り」はアメリカ英語で、「TO GO」か「TAKE OUT」です。そして私もお嬢ちゃんじゃなくて36歳のちょっとした中年です。写真は滞在先近くのPaul’s Da Burger Joint!超アメリカン!
で、初日スタート。今回は、三回目の出展!秋冬!場所も良し!と、好条件三拍子、幸先の良いスタートです。遅刻したわりには初日の午前中からオーダーとるのに忙しかったです。
雪の状況はというと、たまに外を見ると昼過ぎにはこんな状態に・・・ きゃあ~
展示会が終わるころには、なんかもう、どうしたらいいか・・・
この日は必死の思いで宿にたどり着きました。激しい雪と風が吹きすさぶ中、同行していた営業部長のイギリス人は「THIS IS F@%KING DISGRACE!!! I HAVE NO HAIR!!! 顔がぁー、ハゲ頭がぁー!(※部長さん、スキンヘッドなんです)」って、ずーっと叫んでいました。
こういう時、イギリス人って国民性なのか何なのか、ほんっと文句ばっかり言います。少し黙れ、と心の中で思っていたら、うっかり口から出てしまい、そしたら「口があるから文句がCOME OUTするんだよ!文句あるかー!」とさらに文句をかぶせてきたので、余計なフラストレーションがかさみました。ずぶ濡れで足元もグチャグチャです。もー
次の日は打って変わって快晴!この日も展示会の内容はGREAT!! いい日になりました!
知的な靴下デザイナーが海外展示会でどんな商談をしているかというと、こんな感じです。
私、アメリカ英語、特に固有名詞を聞き取るのがとても苦手でして、URBAN OUTFITTERS(アーバンアウトフィッターズ)っていう米国本拠地の、カジュアルで気の利いた普段着が買える大手セレクトショップ(けっこう有名)があるんですけど、そこのバイヤーさんと話している最中、そのお店の名前がどーしても聞き取れなくて。
何回聞いても「ゥアーバノ@*%$!#フィラーズ」としか聞こえなくて、そんで、Wa? Could I have your name again?って何回も聞き返しちゃって、最後に名刺を差し出されるまでどこの誰だか分からないっていう・・・。ロンドンにもいっぱいお店があるので、私も当然知っているお店だったんですけどねー、苦笑。チャイニーズアメリカンのイケメンバイヤーさん「あー、ウチは日本にはお店が無いからあんまり知られてないのかもー」なんて言わせてしまって・・・、ホントすみませんでした。と、今回もこんな感じで無礼な商談を繰り広げていました。
今回は三回目の出展でようやくいい結果がでました。スタンドの場所が良かったからなのか、自分がNYCに慣れてきたからなのか、秋冬だったからなのか、はたまた事前の営業活動が功を奏したのか。
「展示会、どこのがいいですか?カプセルいいですか?」ってよく聞かれますが、これはほんとにケースバイケースかなと思います。自分が出展者なのか、バイイングする立場なのかにもよりますし、具体的な狙いを持っているかどうかによっても感じ方は大きく変わると思います。
どんな店にどのくらい売りたいのか、誰に見て欲しいのか、どんな人達と関わりたい/知り合いたいのか、とか。回数出すと楽しくなってくるのは確かです。各国にお友達も出来てくるし、来場するバイヤーさんも覚えててくれたりします。今回は、2009年にパリの展示会でAYAMEを見たという、カナダの高級百貨店(英セルフリッジと同グループ)のバイヤーさんが足を止めてくれたりしました。こういう事があるのも続けてこその事です。
あとは万国共通で、メンズとレディスの商売の仕方って、まっっっったく違いますね。メンズの場合、「出展していること」や「人と知り合っていくこと」が、時間が経ってからエフェクトしてくるような感じですかね。なんとなく。
そして、NYC展が終了。ショーが終わると毎回、少しさびしい気持ちになります。と同時に、次への活力がわいてきます!
今回も充実、満たされた気持ちでいっぱいです!そして、CAPSULE SHOW NYC MENS、次回は夏の回です!
気鋭の靴下ブランドAyame’の活動記録。現在年2回、東京、パリ、ニューヨーク、ロンドンにてコレクションを発表、Made in Japanの靴下を世界に発信中 あがおか・あや/Ayame’socksデザイナー/桑沢デザイン研究所卒/2007年Ayame’設立