イタリア、小売り再開 感染防止措置の緩和で

2020/05/20 06:30 更新


「エラル55」には常連客が次々と訪れた

 【ミラノ=高橋恵通信員】新型コロナウイルス感染の終息の兆しが見えてきたイタリアで5月18日、「フェーズ2」の次段階として感染防止措置のさらなる緩和策がとられた。小売店やレストラン、美容院、美術館、屋外のスポーツ施設、宗教施設などが再開した。ファッション関連では4日からの第一段階で製造業が再開したが、子供服のみが許可されていた小売店も、全ての営業が可能となる。

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 3月10日から2カ月以上にわたり、厳格な感染防止措置がとられてきたイタリア。伊国家統計局(ISTAT)の5月7日付発表によると、3月の衣料品の小売り売上高は、57.1%減。伊商業連盟は「4月はさらに落ち込む」と予測している。

 市内中心部の百貨店「ラ・リナシェンテ」や「ザラ」では、開店を目指し、短い行列ができた。ラ・リナシェンテは、ソーシャル・ディスタンスを保つため、総売り場面積2万2000平方メートルに対し、1500人までの入場制限を設けている。3~5割引きの春夏商品を投入し、少しでも売り上げを伸ばそうとする小売店も目立った。

 ガリバルディ地区のメンズセレクトショップ「エラル55」には、常連客が次々と訪れた。店の入り口には消毒液とラテックスの手袋が置かれ、一度に店内に入れるのは3人まで。綿や麻のシャツ地で作ったオリジナルマスク(15 ユーロ )も好評だ。

 アルマーニは、営業再開にあたり、来店のアポイントが可能なシステムを導入した。また、同ブランドが長年にわたり広告キャンペーン写真を打ち出してきた、ブレラ地区の巨大広告スペースには、伊でコロナ撲滅のシンボルとなった、女医がイタリア半島を抱きかかえる絵柄が掲げられた。「安全な再開には、まだあなたが必要です」と書かれている。ミラノやパリ、ミュンヘン、北京、香港、シドニーの営業再開を機に、春夏コレクションの売上高の1割を、各都市の慈善活動のために寄付することを決定している。

アルマーニが掲げた「コロナ撲滅のシンボル」(フランコ・リヴォッリ撮影)

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