ゴールドウイン「アイスブレーカー」 日本企画が好調

2018/08/20 06:27 更新


 ゴールドウインのザ・ノース・フェイス事業部が運営するニュージーランド発のブランド「アイスブレーカー」が好調だ。アイスブレーカーは93年、メリノウールのベースレイヤーを主軸に創業。20年以上、メリノウールの保温性や抗菌防臭といった天然の機能に着目してきた。環境保護や動物愛護の観点を重視しながら、長期契約を結ぶ牧場で育てた羊が主素材になっている。

(青木規子)

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 メリノウールは、通常のウールよりも毛が細くて柔らかい。特にニュージーランド産はキューティクルが滑らかで触り心地が良い。アウトドア市場で合繊の機能アイテムが全盛になっても、アイスブレーカーは独自のスタイルを維持してメリノウールを主素材にコレクションを作ってきた。近年、天然素材やリサイクル素材、合繊との複合で、環境保護と機能を両立させる動きがアウトドアブランドで広がるなか、その機能性と姿勢が注目され始めた。

 特に人気なのは日本企画のコレクションだ。アウトドアフィールドを目的にした体にフィットする既存のコレクションとはひと味違い、ライフスタイルをテーマに都市でも気軽に楽しめるコンフォータブルなシルエットに仕上げている。グレーのタグを付けた既存のコレクションと差別化するために、黒いタグを付けている。

 今年は、桜や竹炭などの天然染料で染めたTシャツが売れた。ナイロン芯にメリノウールを巻きつけて耐久性を高めつつ、メリノウールならではの肌触りや機能性はキープ。つるっとしたメリノウールの質感は、夏でも心地良いと評判だ。ニュージーランドで縫製した製品を、日本で染めている。

 まだ規模は小さいものの、成長率は著しく、売り上げは2ケタ増を続けている。販路はザ・ノース・フェイスの直営店やECが中心。客層は30~50歳、男女比は7対3になっている。

 日本企画の商品は、海外でも売り上げを伸ばしており、19年春夏からさらに力を入れる。これまではインハウスで企画してきたが、外部デザイナーとともに企画を進めている。18~19年秋冬は「エシカルウール」と題して、日本で初めて単独のプレス展を開催するなど、ブランドのスタイル発信にも力を入れている。

天然染料で染めたTシャツ(写真左から1万3000円、1万2000円)は夏でも心地良いと評判


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