【トップインタビュー】学校法人ミクニ学園 大阪文化服装学院 理事長 豊田晃敏氏(PR)

2023/06/30 00:00 更新


 大阪文化服装学院は、創立77年を迎える伝統あるファッション専門学校。早くから海外有力校と連携して次元の高い教育を導入し、ファッション業界の発展を支える人材を数多く輩出してきた。そして現在も変化を柔軟にとらえ、新しい可能性を見出せる人材の育成に挑戦し続けている。23年度から理事長に就任した豊田晃敏氏に、学校の強みや重視していること、ファッションを学ぶ魅力について聞いた。

グローバルに見れば成長産業

 ファッション業界についてマクロ的な見方をすると、少子化の影響が大きく日本のマーケットはダウントレンドです。しかし、グローバルに見れば、例えば東南アジアが有望な成長市場であるように、ファッションは成長軌道にある産業です。

 当校としても、日本のマーケットだけを見ている訳ではありません。学生が在学中にいかに国際的な感覚を身に付けられるのかについて注力しています。すでに22年度からイタリアのポリモーダ校やFIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)での海外研修を再開しました。

 提携先のポリモーダ校とは、交換留学制度をはじめ、学費一部減免特典でマスターコース(修士課程)に編入できる自費留学制度もあります。このように当校だからこそ実現できるメリットについて、改めて周知徹底に取り組んでいます。

 22年度からは、新たにロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの元講師を迎え入れ、スーパーデザイナー学科で毎週授業を行っています。海外講師による授業・講義の展開は、ファッション・クリエイター学科、スタイリスト学科にも広げました。また、スタイリスト学科はソウルでの韓国スタイリング研修もスタートしています。ほかにも、海外の大学や機関と交流が広がっており、様々な協業が進む見通しです。

イタリア ポリモーダ校での研修の様子

ファッションは感性が強み

 ファッション業界では、〝今〟という時代の中で、一番旬となるムードやニーズをとらえ、それぞれの企業が提案を繰り出します。どんな提案も、ファッションとして実現することの意味、その影響や効果まで、深く細かく考えられたうえで具体化されています。

 きめ細かい思案や分析を重ねることによって、感性にも磨きはかかります。優れた感性を身に付ければ、あらゆることにも対応できるはずです。だから、ファッションを学ぶということはとても大きな意味がありますし、たとえどんな業界でも通用するぐらいの〝強さ〟が備わるとも考えています。

 デザイナーによっては、服を着る人の気持ちを大きく変えることだってできます。服一つで、着る人の心に高揚感やハッピーな気分を与えることができるのも、ファッションが持つ大きな魅力です。

クリエーションと真摯に向き合う

 当校の強みは、クリエーションに対して一番真正面から向き合っていることです。卒業作品発表会を見ていただければ、それが分かると自負しています。個人またはグループで、作品の制作をコンセプトの段階からとことん磨き抜き、こだわりを追求するという経験は、社会に出てからも必ず役に立ちます。ふだんの授業においても、デザイン発想としっかり向き合いながら行うことを重視しています。当校で学ぶからこそ実現できるクリエーションがあるはずです。

 ファッションビジネス系の学科についても、デジタルやインフルエンサーといった時代の変化を柔軟に取り入れた教育を進めています。例えば、ブランドマネージメント学科では、ファッション専門学校で初めてAI(人工知能)を活用したカリキュラム「AIビジネス活用」を導入し、ファッション専門の定量分析を行うなど、次世代のファッションビジネス人材の育成・輩出に取り組んでいます。

 ファッション・クリエイター学科の中に、ファッション業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)につながる3Dモデリストコースもいち早く新設しました。ファッションだけでなく、最新のデジタル技術のような新たな要素も掛け合わせることによって、まったく新しい可能性が生まれます。こうした面についてもしっかりと考えながら取り組んでいます。

 今後の目標は、世界の中でも競争力のある学校にすることです。カリキュラムはもちろん、ブランディングも強化し、海外の学生にもここを目指してもらえるような学校にしたいです。これまで築き上げたネットワークを強みに、交流もさらに広げます。例えばですが、ここで海外留学生も英語でファッションの授業を受けることができるような環境も、一つの未来像としてイメージしています。

3Dモデリストコース
【profile】1971年生まれ。米グリネル大学卒業後、㈱千趣会・㈱ジャパネットたかたで部長職を歴任。
2021年大阪文化服装学院 入職。2023年4月理事長に就任。

学校法人ミクニ学園

〒532-0005 大阪市淀川区三国本町3-35-8

TEL:06-6392-4371(代表)

https://www.osaka-bunka.com

企画・制作=繊研新聞社業務局



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事