環境配慮素材の一つとして、リサイクルポリエステルを使った服が増えている。
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プラスチック製品を繊維に再生する方法には、2種類ある。普及しているのはマテリアルリサイクルで、原料の廃棄プラスチックを砕き、熱で溶かして合繊の元であるペレットにする。廃棄プラスチックの純度にばらつきがあると品質が安定しづらく、短繊維を中わたや綿混の製品などに使うことが多い。もう一つのケミカルリサイクルは、化学的な処理により分子レベルで樹脂の状態を戻す方法で、コストが高いがバージン原料と同じ品質を得られる。
リサイクルするプラスチック製品といえば、ペットボトルが代表的だ。ほかに、食品パッケージなど包装フィルムや、フィルムの生産過程で出たフィルムくずが使われる。
リサイクルポリエステルは、これまでスポーツ・アウトドアウェアやユニフォームによく採用されてきた。最近は、外資系ブランドを中心に日本市場でもデイリーなウェアや雑貨に広がっている。
マテリアルリサイクルの技術の向上やケミカルリサイクルの導入などでより高品質な繊維ができ、ドレスなどエレガントなアイテム、Tシャツをはじめカジュアルウェアではより高い機能性を付与したものが増えている。