21~22年秋冬パリ・コレクション 艶やかな黒とまばゆい白で見せる

2021/03/11 11:00 更新


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 21~22年秋冬パリ・コレクションは、艶やかな黒やまばゆい白を生かしたスタイルが広がっている。コロナ禍で鮮やかな色やナチュラルなモチーフが広がった前シーズンとは打って変わり、強さやグラマラスなムードを象徴する黒と白が注目を集めている。

(小笠原拓郎、青木規子)

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 暗闇の中、床の水を跳ね飛ばしながらモデルたちが足早に歩きまわる。マシュー・M・ウィリアムズによるジバンシィは、不穏な空気をはらみながらグラマラスな雰囲気を漂わせる。黒のトーン・オン・トーン、ハーネスのディテール、顔を隠すニットのマスク、序盤のルックはミステリアスなイメージ。チェーンやバッグのベルト、アイレットのメタリックな輝きがダークトーンに映える。ボリュームたっぷりのダウンジャケットやファーのグローブと、それとは対照的に体のラインを強調するレギンスやジャージードレスがコントラストを描く。透け感のあるニットドレスやブラトップは壊れやすく繊細なエレガンス。水を跳ね飛ばす足元はボリュームたっぷりのブーティーで固める。靴のボリューム感やバッグのベルトの使い方など、アクセサリーがコーディネートのカギとなる。そこがウィリアムズのジバンシィらしさにつながっている。クレア・ワイト・ケラーのジバンシィとは違うストリートの若々しさにあふれたグラマラスを感じさせるコレクション。

ジバンシィ
ジバンシィ
ジバンシィ
ジバンシィ

 アンリアレイジからの招待状には、人が逆さまになったスノードームが入っている。配信された映像は、ランウェーをモデルが歩くというもの。ただし、時おりモデルたちが逆さまに歩く映像へと切り替わる。ドットや市松模様、千鳥格子のコートは一見、普通の模様。しかし逆さまの映像のモデルが着るコートでは、引力に引っ張られるかのように柄が地面の方へ崩れ落ちる。千鳥格子に至っては、地面に向かって飛び立つような柄に見えてくる。逆さまのモデルが着るリンゴの木を編み込んだセーターは、ニュートンの法則とは逆に空に向かって実が落ちる。ライダーズジャケットのスタッズも重力には逆らえず、スタッズがひしめき合い重なりあう。テーマは「GROUND」。前シーズンのテーマ「HOME」が出発点で、人がよって立つ足元を見つめたという。これまでアンリアレイジといえば、数多くのテクノロジーを背景にしたクリエイションを得意としてきた。秋冬は、映像という表現形態を逆手にとって、天と地がひっくり返るありえない世界から新しい服の表現を提示した。ポストコロナにおけるファッションの在り方が模索される中で、架空の世界で遊ぶ知的な表現もまた、服を選ぶ選択肢となりうると考えさせられた。

アンリアレイジ
アンリアレイジ

 ニナ・リッチは、白いカーテンにブルーの椅子が並ぶ空間で見せる無人のショー映像を配信した。秋冬は襟元を強調したスタイルが揃う。ハイネックトップとシャツを重ねたり、フード付きのトップに共地のマフラーを上から巻き付けたり。ボリュームのあるタートルニットの襟がシャープなテーラードジャケットに変化を付ける。ゆったりしたコートにはボリュームたっぷりのフェイクファー襟を飾る。ハウンドトゥースやヘリンボーンの伝統柄は、複雑なパターンのコートやケープのようなプルオーバーに仕立てられた。量感と襟の変化の中で、ケミカルなビニールタッチのアイテムとシグネチャーともいえる丸い帽子がアクセントとなった。

ニナ・リッチ

 トム・ブラウンが描くファンタジーの世界は、真っ白の雪の中。パンツスーツを着た女性が、テントドレスを重ね着して山に向かう。スキーで駆け抜ける先に立っているのは、妖精のようなガイドたち。アランニットに大きなボウ飾り、コルセットにプリーツの造形服。マスキュリンとフェミニン、アウトドアとドレッシーなどジェンダーやテイストを重ねていく。素材の凹凸や光沢が何層にも重なって、黒白のスタイルが奥行のある華やかさをまとっていく。トム・ブラウン特有の幻想の世界は、映像表現と相性が良い。いつも以上に生き生きと表現されている。映画監督のカリッサ・ギャロと協業した。

トム・ブラウン

 クリスチャン・ワイナンツの新作は、撮影場所のアントワープ王立美術館の背景とシンクロする色と柄が主役といえる。渋めの赤いフロアには淡いピンクとブラウンのストライプドレス、黄みがかったグレーのフロアには水色やフォレストグリーンのドレスが重なる。ピスタチオやラベンダーなどニュアンスカラーがセレクトされた。ジグザグの寄せ木のフローリングと重厚な木のドアが、縦や斜めに走るマルチストライプやカラーブロックと重なる。テントシルエットのプリーツドレス、ストライプ状のキルティングコートなど量感のスタイルも直線を強調してきりりと仕上げた。

 黒を基調にした艶やかな夜のスタイルが広がっている。世界で自粛生活が続くなか、華やかに装って遊びたいという気分がデザインに表れている。サテンやグリッター、ビーズ刺繍、エナメルなど光沢素材が多く使われている。

クリスチャン・ワイナンツ

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