20年春夏パリ・コレクション 黒と白にパステルカラー

2019/10/03 06:28 更新


 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】20年春夏パリ・コレクションのトレンドカラーに黒が浮上している。ここ数年はカラフルな色柄ミックスの人気が続いていたため、黒のワンカラースタイルは影をひそめていたが久々に新鮮だ。特に透け感のあるオーガンディやレースのドレスが目立っている。それと対になるように、クリーンな白も多い。ミントグリーンやセージグリーン、モスグリーン、フォレストグリーンといった緑のバリエーションも広がっている。

(写真=大原広和)

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 シャネルはヴィルジニー・ヴィアールによる初めてのプレタポルテを見せた。会場はカール・ラガーフェルドの時と同じ歴史的建造物グランパレ。そこに今回はパリの街並みの屋根を再現した。新作をまとったモデルたちは屋根伝いに歩くという設定だ。

 シャネルのコードに忠実なラインが揃う。アイコンともいえるファンシーツイードのバリエーションが広がった。テーラードジャケットの襟の仕様になったツイードのコンビネゾン、ドレスもテーラードの襟になっている。今シーズンのアイコンとも呼べる柄は、パリの街並みとブランドのタイポグラフィーを組み合わせたもの。ドレスやセットアップにのせられる。パネルのようなトリミングジャケットはプリーツのミニスカートとコーディネート。デニムはフリルを重ねてセットアップに。極端なマイクロパンツも若々しい印象だ。

 カール・ラガーフェルドのシャネルは、シーズンごとにエッジを立たせたデザインが特徴だった。それに比べるとエッジは強調されていないけれど、ガーリーなムードを取り入れたキュートなコンサバスタイルといったところであろうか。7月のオートクチュールでは、やりたいことが散漫になってしまったように感じたが、プレタポルテはよりコンセプトをぎゅっと絞って見せ切った。

シャネル
シャネル
シャネル

 ミュウミュウは花とアクションペイント、フェミニンな甘さとローエッジの強さを組み合わせた。プリーツ入りのジャンパースカートはバックにメタルボタンが輝き、ベアトップのモヘヤニットと重ねてわずかに素肌を見せる。ボックスジャケットもフロントにメタリックなボタン飾り。ショルダーラインにフェザートリミングを飾ったビニールタッチのコート、花柄やアクションペイントのような柄を組み合わせたビニールコートなど、ケミカルな素材に装飾を入れて甘くなりすぎないバランスに仕立てる。レザータイトスカートもスリットに飾った大きなフリルがアクセントとなる。甘さと強さ、ケミカルと生々しさが混じりあうミュウミュウ独特のバランスは今シーズンも健在だ。

ミュウミュウ
ミュウミュウ

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